第1話 名はチャン・ヨンシル

朝鮮国王太宗(テジョン)の時代。書雲観(ソウングァン)の判事だったチャ
ン・ソンフィと官妓の間に生まれたウンボクは、手先が器用で天体観測が好きな少年。ある日、母とチャン一族の祭祀に向かい、そこで父のソンフィと初めて出会う。ソンフィからはチャン・ヨンシルという名を与えられ、さらに文字や天体に関しての知識を教えてもらうのだった。一方、太宗は災いが起こるという日食に備え、儀式の準備を行っていたが…。

第2話 王の苦悩

太宗は日食の予測を誤った書雲観のユ判事に不信感を抱く。チョンからソンフィが東莱(トンネ)県での日食を言い当てたと聞いた太宗は、ユ判事の反対意見を退け、ソンフィの予測に合わせて、中秋に改めて救食(クシク)の礼を準備させる。一方、官奴として働きながら父の教えを守り天体観測を続けていたヨンシルは、ソンフィの予測が間違っていることに気づく。そのことを王様に伝えてほしいと県監のチャン・ギベに訴えるが…。

第3話 逃走の条件

商人のギルスの仲介で船主に会ったヨンシルは、自動で回る渾象(ホンサン)を作れば、「明に連れていく」と言われ、奴婢の生活から逃げ出すことを決意。数年ぶりに会ったソンフィと共に渾象の製作に取り組む。そんな中、ヨンシルは母を死に追いやった犯人がハクチュだという衝撃の事実を知る…。一方、漢陽では太宗の息子の世宗(セジョン)が王を表す太陽について言及。太宗は王を非難したと誤解し、父子の溝はより深まっていく。

第4話 高麗復活の謀略

ハクチュに作業小屋を燃やされ、過酷な伐採の労働を命じられたヨンシル。森の中で名案を思いついた彼は、父のソンフィと力を合わせて渾象を完成させ、明に発つ前にハクチュへの復讐を果たそうと計画する。一方、漢陽の街には高麗復興勢力によって怪文書が貼り出され、「石刻天文図には、高麗人がこの地の主だという秘密が記されている」という内容に朝廷は混乱する。世宗は書雲観の役人たちに噂に惑わされてはならないと告げるが…。

第5話 不穏な都

石刻天文図の秘密に気づいた書雲観の役人が何者かに殺される。世宗は事件の真相を探るため、奴婢に変装して天文図を彫った職人を探し始める。一方、チョンは逃亡しようとしたヨンシルを捕らえて漢陽に連れて行くが、道中で盗賊に襲われる。ヨンシルは傷を負ったチョンを介抱しながら、日時計と水時計を製作。彼の才能に驚いたチョンは技術を朝鮮のために使えと説得し、ヨンシルが書雲観の寺奴婢として働けるように取り計らうが…。

第6話 天文石刻の真相

星を眺めていたヨンシルは謎の男たちに拉致されるが、チョンに助け出される。ヨンシルは男の一人から奪った号牌を確認し、書雲観が関わっていると勘づく。一方、世宗は天文図を彫った職人を発見するが、職人は殺され、自身も命を狙われる。ヨンシルは世宗をかばって矢を受け、その場で石刻天文図の秘密を知らせる。ソヒョンは町で出会ったヨンシルがウンボクだと気づき、彼が世宗の命を救ったことを知って食事会に招待する。

第7話 謀反と確執

太宗の命令を受けたヒジェは高麗復興勢力の一掃に着手。太宗の秘密を知るヨンシルも反逆罪の濡れ衣を着せられ、死刑を宣告される。世宗はヨンシルや臣下たちを救おうと太宗に謁見するが、王位を継ぐ世宗のために彼らを処刑すべきだという太宗の考えは変わらなかった。獄中でも科学の不思議を追究していたヨンシルは、ヒジェに自分の帳面を託し、研究を続けてほしいと頼
む。そんな中、ソヒョンはヨンシルを救う方法を思いつき…。

第8話 流星の奇跡

チョンの嘆願によってヨンシルの死刑執行が延期され、書雲観は流星雨の話題で持ちきりになる。やがて夜が訪れ、ヨンシルと臣下たちは再び刑場に連れ出される。空は暗雲に覆われ、流星雨どころか星すら見えない。ついに刑が執行されるが、その瞬間、雲が晴れ、ヨンシルは命拾いするのだった。太宗はヨンシルを呼び、作業場を与えて密かに渾象を作るように命じる。そんな中、太宗の譲位によって世宗が第4代王に即位するが…。

第9話 明での密命

ヒジェとヨンシルに「明の簡儀を見て来い」という密命を下した世宗。帰国すれば奴婢の身分から解放し、官職を与えるという世宗の言葉にヨンシルは胸を高鳴らせる。一方、ヒジェは才能あふれるヨンシルに劣等感と嫉妬心を抱き始めていた。明の皇族テガンは朝鮮の使臣団を歓迎する宴を開くが、明の役人たちはぞんざいな態度を取る。天文学に高い関心を持つテガンはある器具を出席者たちに見せ、使い道を当てさせようとするが…。

第10話 天上時計の修繕

天文台で殺されそうになったヨンシルはテガンの娘ブリョンに救われる。ところが、ブリョンとテガンはヨンシルの命と引き換えに水運儀象台の修理を命じるのだった。一方、明の宦官ボンはヒジェにテガンを暗殺すれば渾天儀を渡すと取引を提案。ヒジェはテガンの家を訪れるが、300年前に燃えたはずの水運儀象台に目を奪われ、ヨンシルと共に修理を手伝い始める。一方、漢陽ではソヒョンが刺客に切り付けられる事件が起こり…。

第11話 叶わぬ免賤

チョンに問い詰められ、渾天儀に毒が塗られていることを白状したヒジェ。
ヨンシルはテガンの前にひれ伏し、ヒジェを許してほしいと懇願する。テガンは願いを即座に聞き入れただけでなく、餞別として貴重な郭守敬(カクシュケイ)の観測日誌まで譲り渡す。世宗は帰国したヨンシルを奴婢の身分から解放しようとするが、大臣たちは猛反対。ヨンシルは明の司天台に上った罪で杖刑に処されるが、くじけることなく簡儀の製作に取りかかる。

第12話 官職昇進

正五品・尚衣院(サンイウォン)別坐の官職を授かったヨンシルは奴婢出身という理由で臣下たちに冷遇されるが、1年後、世宗は彼をさらに昇進させて司直に任ずる。そんな中、明のボンは、朝鮮が独自の暦法を作っているという証拠を掴み次第、皇帝に報告するとハ・ヨンを脅す。その頃、ヨンシルは世宗の密命に従い、暦法作りに全力を尽くしていた。ヨンシルが製作した簡儀によ
り、天文観測所では明の暦本にない月食の予測に挑戦するが…。