第59話 渦巻く妬み心

武媚娘の罰が軽すぎると感じた蕭淑妃は、不満を募らせ、武媚娘をひいきしていると李治に訴える。だが武媚娘の罪が濡れ衣だと思い込んでいる李治は、淑妃の訴えを退ける。ひと月が経ち、承慶殿から出てきた武媚娘は、竹林雅軒に戻った途端、貧血で倒れてしまう。その知らせを聞いて駆けつけた高陽公主と李恪は、診察に当たった侍医により、武媚娘には流産の兆候が見られ、何者かに堕胎薬を盛られている可能性があると告げられる。

第60話 李治の告白

武媚娘が流産した。李治は流産が人為なのか天意なのか思い悩む。一方、子を失った武媚娘は、誕生日の宴席で、最後に飲んだお茶が原因だと結論づけた。そして我が子を殺した者に復讐するため、皇宮に留まることを決意するのだった。長孫無忌は他の大臣を抱き込み、武媚娘を宮中から追い出そうとする。執拗に迫られた李治は、武媚娘を感業寺に送り返すことを、長孫無忌に約束してしまう。だが高陽公主が意外な方策を提案して…。

第61話 李世民の遺詔

武媚娘は高陽公主の何気ないひと言から流産の原因を突きとめ、下手人を割り出す。高陽公主は復讐のために後宮に入るよう武媚娘に勧めるが、李世民との愛を理由に断られてしまう。だがそんな武媚娘に高陽公主は李世民の遺詔を見せ、現実をつきつける。そして皇宮に留まるためにも甘露殿へ行き、李治から封号を与えてもらうよう再び諭す。しかし遺詔を読んだ武媚娘は激しく動揺し、そのまま部屋を飛び出してしまうのだったが…。

第62話 武媚娘の作戦

武媚娘を昭儀に封じるという勅命を撤回させるため、裴行倹は関隴集団を代表し、朝議で笏に頭を打ちつけ諫言をする。だが李恪が裴行倹に反論したため、昭儀の冊封に反対する者は何も言えなくなる。武媚娘の台頭に危機感を募らせた皇后は、長孫無忌の助言により、皇子の1人を養子にもらうことにする。その子を皇太子に立てれば、皇后の地位を盤石なものにできるからであった。一方、武媚娘は皇后を倒すための作戦を着々と進めていく。

第63話 増していく不信感

王玉燕の命令を受けた秀珠は、李忠を引き渡すよう劉氏に迫る。だが李忠を生きがいとする劉氏は皇后の要求を拒絶、激怒した王玉燕は、劉氏を密かに葬り去ろうと考える。その動きを察知した武媚娘は、劉氏と李忠を利用して王玉燕を倒そうと企む。一方、宮中では李恪と武媚娘が内通しているとの噂が流れる。その噂に動揺した李治は李恪への不信感を募らせ、心の内を明かそうとしない武媚娘に対しても不安を抱くようになっていくのだが…。

第64話 李忠の裏切り

李忠と共に立政殿を訪れた劉氏は、皇后を陥れるため、自ら茶に毒を盛り自害を図る。そんな中、高宗が武媚娘と共に立政殿を訪れ、劉氏が皇后に命乞いをしている現場を目撃、皇后が劉氏を殺した下手人だと断定する。だが李忠が皇后に助け船を出したことにより、武媚娘と劉氏の策は失敗に終わってしまう。その夜、武媚娘が1人で承慶殿を訪れると、そこには剣舞を踊う呉王の姿があった。武媚娘はそんな呉王に、かつての李世民の姿を重ねる。

第65話 哀れな皇帝

武媚娘と呉王が承慶殿で一緒にいるところを目撃した李治は、怒りに任せて蕭淑妃と一夜を過ごす。長孫無忌は王皇后が李忠を養子にしたことを受け、立太子を奏上し、李忠の冊封が決まる。武媚娘は王皇后を失脚させる計画に失敗したうえ、不貞の噂を流され劣勢に立たされたが、程なく懐妊していることが判明する。武媚娘が皇子を産めば脅威になると考えた蕭淑妃は、道士を招いて祈祷を行ってはどうかと王皇后に相談を持ちかけるのだった。

第66話 深まる絆

長孫無忌の意向を受けて、大臣たちは武媚娘の追放を願い出る。だが李治は断固とした態度で武媚娘を守る。そんな武媚娘はほどなく皇子を産み、李治は期待を込めて息子を李弘と名付ける。だが喜びもつかの間、李治は発作で倒れてしまう。一方、新たな皇子の誕生に衝撃を受けた王皇后と蕭淑妃は、武媚娘に対抗するため手を組むことに決める。同じ頃、都で武具を運んでいた御者が捕まった。御者の供述により、呉王は窮地に立たされて…。

第67話 思いもよらぬ刺客

呉王府で刺客に襲われた李治は、李恪に命を救われるが、やはり李恪を心の底から信頼することができず落ち込んでしまう。そして翌日、李治は朝議で李恪の左遷を言い渡す。しかしそれは李恪が自ら李治に申し出たことであった。李治は、いまだ朝廷を牛耳る長孫無忌と関隴集団を排除すべく、長安から離れた地で李恪に勢力を拡大させようと、その申し出を快諾したのだ。そんな李恪は宋州へ赴く前夜、密かにある者と会うのだった。

第68話 女児誕生

王皇后は李治の持病を治そうと、明崇儼という道士に鍼治療をさせる。すると李治の頭痛が改善したため、王皇后は明崇儼を絶賛する。だが明崇儼は自分の得意技は鍼治療ではなく、呪術であると明かす。一方、武媚娘は王皇后と長孫無忌への逆襲を開始する。まず「内訓」と題した御妻の心得を執筆して周囲に配布し、王皇后と蕭淑妃の怒りを煽る。また李義府は「氏族志」の改編を奏上し、関隴集団の怒りを買ったうえで、廃后をも奏上する。

第69話 道士の正体

武媚娘は立后の件で老臣と争わないよう李治を諭す。後宮の欲深い妃嬪たちと異なり、地位や立場を求めない武媚娘に、李治は感動するのだった。その後、武媚娘が急病で倒れる。病因は何者かの呪詛だという奏上を受けた李治は、邪気が流れる一帯を捜査させ、その結果、蕭淑妃の部屋で呪いの人形が見つかる。蕭淑妃が掖庭へ送られた後、安定公主が何者かに殺害される。誰もが下手人は王玉燕だと考える中、武媚娘は衝撃的な事実に気づく。